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注文住宅にさまざまな形態やデザインがあるように、注文住宅を立ててもらう業者にも種類があります。ここでは、工務店とハウスメーカーをピックアップし、それぞれのメリット・デメリットや選ぶ際のポイントについて見ていきましょう。
工務店は、主に地域密着型の業務を行っている中小規模の業者です。新築はもちろんのこと、リフォームにも対応している工務店も数多くあります。工務店では設計から施工までを一貫して行うのが一般的です。また、設計は棟梁または社内の建築士が行います。
また、工務店の中にはハウスメーカーのフランチャイズに参加しているところもあります。このタイプの工務店は、本部から提供される工法や規格をベースに住宅を建てているのが特徴です。中には、複数のフランチャイズに加盟している工務店もあります。
注文住宅を作ろうとすると、内装や外装、設備から家具までさまざまなところにこだわった、世界にひとつしかないマイホームを作ろうとするもの。そうなると、既存の住宅モデルに当てはまらない独自性の高いデザインの住宅を建てることになるでしょう。また、住まいを建てる土地が狭小地や変形地といった特殊な形状だった場合でも柔軟に対応できるのが工務店の強みです。
デザインだけでなく、設備のメーカーにも融通がきくという点も見逃せません。ハウスメーカーの場合は、それぞれの会社が取り扱っているところ以外のメーカーの設備を導入するのは難しい場合が多いです。しかし、工務店ならそうした制限にとらわれずさまざまなメーカーの設備を自由に導入できるでしょう。
地域と深く関わっている工務店なら、ライフスタイルの変化に合わせた増改築も気軽に依頼できますし、お家のトラブルにも迅速に対応できます。
工務店の多くは中小規模なので、大手のハウスメーカーのような住宅展示場を有していません。そのため、工務店の手掛ける住まいを実際に見て確認することは難しいです。また、公式サイトを持っていなかったり、持っていても具体的な施工事例が掲載されていないことも多いので、大手ハウスメーカーに比べるとどんな住まいを建ててくれるかという事例を確認しづらいというデメリットがあります。
工務店はローンやフラット35などの金利確認や支払い回数といったシステムや予算プラン構築に対するアドバイス力がハウスメーカーに比べて低いことが多いのも代表的なデメリットです。そのため、工務店に依頼した場合は融資や資金計画については施工主自身でやらなくてはいけないことが多くなります。
ハウスメーカーの大きな特徴は、全国規模で展開しており、施工エリアも広いという点です。また、多くの住宅メーカーは住宅展示場を持っています。多様なコンセプトに立脚した住宅モデルを用意してあり、メーカーによってさまざまな住宅モデルを楽しめるでしょう。また、潤沢な予算や資本金を持っていることから、有名人を起用したCMを行っていたり、さまざまなキャンペーンを開催したりしているのも大きな特徴です。
ハウスメーカーの大きなメリットとしては、品質が高いレベルに保たれていることが挙げられます。ハウスメーカーの中には、世界共通の規格であるISO9001を取得しているメーカーも多く、その品質の高さは文字通り折り紙つきと言えるでしょう。また、建築に使用される部材は工場で生産されているものが多いので、部材や住居、あるいは支店による品質のばらつきもほとんどありません。
開発・研究施設を自社で持っている大手ハウスメーカーの場合、耐震システムや断熱材などを自社で独自に開発しているところもあります。また、デザインなどに関してもオリジナルブランドを持ち、ほかのメーカーにはない魅力をアピールしているところも数多くあるのです。
ハウスメーカーの取り扱っている住宅は、耐震基準をはじめとする住宅機能が高く設定されている場合が多くなっています。そのため、フラット35などの基準に比較的通りやすく、住宅ローンも組みやすいのも大きなメリットであると言えるでしょう。
ハウスメーカーの取り扱っている住宅は、基本的に自社設計・自社施工です。そのため、なにもかも施工主の自由に設計するというわけにはいきません。また、住宅に要求する建築基準法のレベルも厳しいので、工務店に比べるとどうしても設計の自由度は下がってしまうのです。
工務店では、設計から施工まで一貫して同じスタッフが行うことがほとんどです。対して、ハウスメーカーの場合は、営業・設計・施工など、各プロセスごとに部署が分かれています。そのため、しばしば各部署の連携や連絡が十分になされていないケースがあるのです。そうなると施工主の要望が各部署でうまく共有されていなかったり、伝達事項が伝達されていなかったりするといったトラブルが発生してしまいます。
特に大手のハウスメーカーに言えることですが、たくさんの住宅展示場を持っていたり、有名人を起用したCMを行っていたりすると、その宣伝費の分だけ工費も割高になりがちです。また、大規模なハウスメーカーや全国にたくさんの支店を持っているハウスメーカーも、本社や支店の経費が大きくなるので工費も大きくなる傾向にあります。
予算には限りがあります。そのため、どのくらいの予算が出せるかによって、工務店とハウスメーカーのどちらを選べばいいかが変わってくるのです。おおむね、工務店は設計の自由度が高い代わりに工費が高く、ハウスメーカーは設計の自由度が低い代わりに工費が安い傾向にあります。そのため、予算の側面から考えると、こだわりたい部分が多く予算も潤沢にあるなら工務店、こだわりたい部分を絞って予算を抑えたいならハウスメーカーということになるでしょう。
自宅をどんな間取りやデザインにしたいかによっても、工務店とハウスメーカーのどちらを選ぶべきかは変わってきます。既存の住宅モデルから大きく外れた独自性の高い間取りやデザインだと、ハウスメーカーでは対応が難しくなるので工務店に依頼するほうがいいでしょう。逆に、既存のコンセプトモデルから選びたい場合や既存のモデルにアレンジを加えていきたい場合はハウスメーカーのほうが適しています。
設計から施工を担当する担当者を見極めるのも重要です。重要なポイントとしては、有資格者であるかどうかが挙げられます。公式サイトがあれば、そこに掲載されている建築士(一級、二級)や施工管理技師(一級)などの有資格者数をチェックしてみましょう。有資格者数が多ければ、それだけてがける住まいの質も高く保たれていると判断できるでしょう。
もちろん、担当者個人個人との相性も大切です。報告・連絡・相談をしっかり行ってくれるか、個人情報保護は徹底されているかなどは当然として、家族みんなの意見をまんべんなく聞いてくれるかや、理想の住まいのコンセプトを十分に理解してくれるかなどもしっかり見極めましょう。
マイホーム建設を依頼しようとしている工務店やハウスメーカーが、実際にどのような住まいを建ててきたかという実績は、実力や傾向を知るうえで非常に重要です。大手ハウスメーカーの多くは住宅展示場を持っているので、そこで実際の住まいを見てみるのが常道でしょう。工務店は規模によっては施工実績や施工事例の確認が難しい場合もありますが、自宅訪問という形で建築事例を見ることができる場合もあります。
実際に工務店やハウスメーカーに住まいづくりを依頼した人の生の声も重要です。口コミサイトなどを検索すれば、口コミや評判はたくさん出てきますので調べてみましょう。ただし、書き込みが古い場合は評価が変わっていることも多々あるので、かならず最新の情報を参考にしてください。
工務店とハウスメーカーにはそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらか一方が優れているわけではありません。自分がどんな住まいを建てたいか、予算はどれくらいかなどによって有効な選択肢は変わってきます。まずは、自分がどのようなマイホームを建てたいかをまとめ、そのうえで工務店とハウスメーカーの特徴を押さえて希望の家づくりを実現しましょう。
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